あなたは、「英語では婉曲語や丁寧語はない」という話を聞いたことがありますか?だから、上司などにため口をきいても大丈夫だとかなんとか。
あのですね、英語圏の人も人間なんです。ものごとを遠まわしに言いたいときもあれば、目上の方には敬意を表さないと怒られます。日本語のような「丁寧語」がないだけで、英語には、文法構造に、そういったニュアンスをだす方法が含まれている、ただそれだけなんですね。
今日は、その方法についてフレンズから勉強しましょう。
[Scene: Central Perk, Rachel is confronting her boss, Terry.]
セントラルパーク。レイチェルが上司のテリーと話し合っている。
Rachel: Terry, I, I, I know that I haven’t worked here very long, but I was wondering, do you think it would be possible if I got a $100 advance in my salary?
テリー、あのう、私ここで働いてまだ長くないっていうことはわかってるんだけど、あの、お給料から100ドルほど前払いって可能だったりしないかしら?
ここで、英語で婉曲表現をするときにつかうテクニックの、好例が載せられています。
日本語でも直接な表現に対して遠まわしな表現がありますよね?この会話の場合は、「給料先払いしてください」という直接表現が、だんだん「給料先払いしていただけませんか?」、「恐れ入りますが、給料の先払いなんてことは可能でしょうか?」という風に遠まわしになっていきます。
では、それを英語ではどうするか?いろいろ表現方法はありますが、一番基本的な方法は、「過去形を使う」ことです。
たとえば、”Will you marry me?” と、”Would you marry me?” 、どちらも日本語にすると、「結婚してくれますか?」という風に訳されます。でもね、ニュアンスは大きく異なるんです。
最初は、「もちろん結婚してくれるよね?そうでしょ?」という雰囲気。それに対して二番目は、「もしかしたら無理かもしれないけど、よかったら結婚していただけません?」という気持ちが伝わります。なぜか?
それは、英文法においては、過去形とは「距離」をあらわすからなんです。ここで詳しく説明しているので確認してくださいね。そして、それは、遠まわしな表現を使うときの、「実現可能性との距離感」「自分の主張との距離感」につながる。なので、レイチェルはここで Is it possible ではなく、Would it be possible?という表現を使うわけですね。
で、そこにニュアンスをどんどん重ねていきます。Do you thinkやIf I got… をつけて、仮定の雰囲気をつよめ、 とどめに I was wondering を頭にもってきて、一文に込めるだけニュアンスを込めて遠まわしにしています。
賢明な読者の皆さんはもうお気づきかと思いますが、なぜ、Can you~を、Could you~などにすると「丁寧表現」になるかも、これと関係しています。相手に距離を置いて、敬意を表しているわけですね。
Terry: An advance?
前払い?
Rachel: It’s so that I can spend Thanksgiving with my family. See, every year we go skiing in Vail, and normally my father pays for my ticket, but I sort of started the whole independence thing, you know, which is actually why I took this job.
感謝祭を家族と過ごすためなの。ほら、毎年うちではベイルにスキー旅行に行くことになっていて、普通は父が私のチケット代を出してくれるんだけど、あたし、独立ってやつをはじめちゃったじゃない?それで今この仕事をしてるわけなんだけど。
Terry: Rachel, Rachel, sweetheart. You’re a terrible, terrible waitress. Really, really awful.
レイチェル、レイチェル、いい子だからききなさい。君は最低な、最低なウェイトレスだ。本当に、本当にヒドい。
Rachel: Ok, I, I hear what you’re sayin’. I’m with you. Um, but I, but I’m trying really hard. And I think I’m doing better. I really do. Does anybody need coffee? (everyone in the place raises their hand) Oh, look at that.
あ、ええ、そうよね。認めるわ。でも、これでも一生懸命やってるし、少しづつ良くなってると思うの。ホントよ?コーヒーまだの方はいらっしゃる?(そこにいる全員が手を挙げる)あらやだわ。
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